鈍感彼女
――杏柚 サイド――
「っと…言うわけよ。」
し、知らなかった…。
しかも優輝君が…
さすがだなぁ!
「ん?
…優輝君と同じ高校になったじゃん!
良かったねぇ♪」
「そうなんだけどぉ…!」
ん!?
「優輝君は…
多分あたしのこと覚えてない…。」
「アピールしてみれば良いんだよっ!!」
紗香の悩みを聞くなんてなかなかないし、
こんなに自信がない紗香は初めてみた。
「紗香はかわいいから大丈夫!
振り向いてくれます!」
「ありがとっ!
何か杏柚ぎこちないわねぇ~」
「だ、だって…
恋愛経験ないし~」
「あたしだって、真面目に恋したことないわよ!」
そんなことを言い合いながら、
世間話にひたっていた。