鈍感彼女
「手、繋いでるのに気にしないんだっ」
えっ…?
自分の右手を見ると、
しっかり龍と手を握り合っていた。
慌てて手を振りほどこうとしたが、
龍がなかなか離してくれない。
「そんなに俺から離れたい…?」
急に寂しい顔をして聞いてきた。
「えっ…!?
そう言う訳ではない…よ?」
「ふ~ん
したら、なんで?」
なんでって言われても…
言えるわけないじゃん。
「言えないの…?」
「…。」
「正体ばらすって言っても?」
もうやだ~
悪魔だっ!!
「恥かしかったから…」
なんでこんな恥かしいこといわされちゃった?
「そっか」
反応はそれだけですかっ!
散々あたしをいじめておいてっ!
「不機嫌だねっ?」
「龍のせいだしっ」
「なら、機嫌よくしてあげるっ」
そう言って龍は顔をどんどん近付けてきた。
「ちょっ…!!
何すんのよっ!?」
多分あたしは真っ赤なタコさんだ。