鈍感彼女
杏柚の声がする…
「起きてたのッ?」
杏柚はびっくりしていた。
そんな杏柚を見ていたらおもしろくて、
俺はなぜかキスした。
けど、杏は全然無抵抗で頬を赤らめた。
なんでいちいち反応すんだこいつ。
そんな顔、きっと誰にでも向けられるんだろうな…
だってこいつが計算してやってるわけがない。
それくらい天然なんだな…。
もう日が暮れようとしていて、保健室の時計を見るともう閉会式も終ろうとしている時間だった。
杏柚におれの帽子を被せてバスに戻った。
こうして陸上競技会は終わった。