鈍感彼女
次の日からもいじめはやむことを知らなかった。
それどころか、前よりエスカレートした。
「紗香、ごめん
体操着忘れたから、
先生に伝えてくるねっ」
「また~!?
杏、最近どうした?
忘れ物し過ぎだよ?」
「う、うん…
寝不足なだけだから…」
「寝不足で忘れ物ねえ~」
また疑われてる…
「し、ししたらッ
先生のとこに行って来るね!」
そう言ってあたしは走り出した。
紗香は「ちょッ、杏~」
って叫んでたけど、
逃げるが勝ちって言うしねッ!
あたしは一目散に職員室へと向かった。