鈍感彼女
少しして頼んだ飲み物が運ばれてきた。
しばらく雑談で盛り上がっていると…
「杏ちゃん…
何かなやんでたりしない…?」
いきなり真剣な顔をして聞いてきた。
なぜか分からないけど
見透かされた気がした。
「えッ…なんで…」
「いきなりごめんね?
ただ…最近の杏ちゃん、なんか下ばっかり見ていて、ぼ~としている気がするんだ!?」
全然気付かなかった…
悪いことしちゃった
「す、すみません…。」
「あッ良いのよ?
でもね…
あたしがこのまま杏ちゃんを放っておくと、
マネージャーとしての仕事もはかどらないと思うのよ…」
「明香音さ…ん」
今分かった…
あたし、今日1日龍のことしか頭になかった。
「何があったか教えてくれないかな?
関係ないとしても、
少しはスッキリするかもしれないからッ」
明香音さん…なんて優しいんだろう。
あたしの気持ちまで分かってしまうんじゃないかな…