鈍感彼女
「あれれ?
いつの間に五十嵐君と仲良くなってるのかなぁ?」
後ろから紗香に話しかけられた。
「えっ?
あの人五十嵐君って言うの!?」
「し、知らないの!?
あ…そっかぁ、杏柚は入学式の時爆睡してたもんねっ♪ニヤ」
痛いところをつつかれた。
「日頃の疲れが溜まってるんですよぉだ!
で!? なんでその…五十嵐君?の名前知ってるの!?
中学のとき、あんな子いなかったよね!?」
「まぁねっ!
けど、入試成績トップで入学してきた五十嵐君が1年生代表として挨拶したから、多分五十嵐君を知らなかったのは杏柚くらいだと思うよ。」