鈍感彼女
俺はあんまりあいつらを相手にしねぇけど、
噂で、俺のファンとやらをとことんつぶしてるとか…
大袈裟な噂かもしんないけど、
そこそこ合ってると思うからこそ心配なんだ。
「脅しの他になんかやられてんだろ」
「や、やられてなんかないし…」
「いいから言えッ」
つい杏がなかなか言わないから大声だしちまった。
「……っ」
「すまねぇ…
でも心配なんだよ。
杏、1人で抱え込むから…。」
「グスッごめ…ん。
前かッらぁ、嫌がらせ受けてた…」
「やっぱし───」
きっと言えなかったんだろうな…
泣いている杏にそっと耳打ちした。
「俺がいるから。
頼りないかもしんねぇけど、
全力で守ってやっし…
だから、安心しろ。」
すると杏はブンブンと顔を横にふった。