鈍感彼女
「失礼しましたあ。」
校長室からでて、
かばんを置いていってしまった教室に戻った。
窓からの景色はもう藍色の空が広がっていた。
「暗いなあ…。」
「そうだなあ~」
うんうんっ…って、ぇえ~!?!?
「なんでいるの?」
さっき帰ったんじゃ?
「誰も帰るなんて言ってないし、かばん置いて行ったんだからまた帰ってくると思って…。
待ち伏せ?」
待ち伏せ?って…。
しなくて良いのに…。
「それに杏。
お前のことがもっと知りたい。」
いやいや…知っても得しませんって。
「なんもしることないじゃん?
それにもう暗いし、帰ろ!?」
「まあ、今日のところは良い。
送って行くよ。」
「へっ?」
「へっ?じゃなくて、
ほら…その…女が夜歩いてたら危ねぇじゃんっ?」
だから…とごもごも言っている。
中々良い奴なのかもっ♪こんな女を襲う人はいないだろうけど、もうちょっと一緒にいたいって思った。
「ありがとっ!」
満面笑みで返した。