鈍感彼女


もちろん、今あたしが時雨 杏美と竜也の娘だなんて誰も知らない。

大抵家族で話す時はコソコソと話す。


お父さんの車まで来て、周りに人がいないことを確認し3人で車内に入った。

「お兄ちゃん、寂しくしてないかなぁ?」

「そうねぇ…
その前に、蜜を迎えに行かなきゃ行けないわ」

「またマロと遊んでるんじゃない?」

あたしはクスクス笑った。

「マロも蜜が好きだからねっ!」

お母さんもお父さんも笑い出した。


マロとはあたしのおばあちゃん家のわんちゃんで、蜜は毎日と言って良いほどおばあちゃんの家に通っているんだ。

あたしはあんまり接点がないんだけど、
蜜はおばあちゃんっ子だからっ!
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