鈍感彼女
「きっと五十嵐君も杏柚と同じで悩んでいるわっ!
それに同じことでねっ!」
そう…なのかなぁ。
そうじゃないとしたって、あたし五十嵐君にひどいことしちゃった。
「ど、どうしよう…
五十嵐君に…あたし…」
「やっと気付いたのね!?」
紗香は呆れ気味に呟いた。
「杏柚は今どうしたいと思った?」
あたしは今…
「五十嵐君に会って、謝りたい…
かな?」
「かなって…
でも、杏柚がそう思うなら明日五十嵐君に素直な気持ち良いなさいっ!?」
「さ、紗香ぁ~ウルウル」
「コラッ!!ウルウルしなぁい!」
「ん……。」
涙をグッと堪えて、
紗香に『ありがと』と一言言った。