鈍感彼女


「きっと五十嵐君も杏柚と同じで悩んでいるわっ!

それに同じことでねっ!」

そう…なのかなぁ。

そうじゃないとしたって、あたし五十嵐君にひどいことしちゃった。

「ど、どうしよう…

五十嵐君に…あたし…」

「やっと気付いたのね!?」

紗香は呆れ気味に呟いた。

「杏柚は今どうしたいと思った?」

あたしは今…

「五十嵐君に会って、謝りたい…
かな?」

「かなって…

でも、杏柚がそう思うなら明日五十嵐君に素直な気持ち良いなさいっ!?」

「さ、紗香ぁ~ウルウル」


「コラッ!!ウルウルしなぁい!」

「ん……。」

涙をグッと堪えて、
紗香に『ありがと』と一言言った。





< 85 / 173 >

この作品をシェア

pagetop