屍都市Ⅱ
目の前で大きく口を開くゾンビ。

翔也の肩口に食らいつこうとしている。

噛みつかれれば終わりだ。

体内に寄生虫を植えつけられ、翔也もまたこの男と同じ化け物に成り下がってしまう。

天才高校生探偵と持て囃された彼でさえ、醜い亡者に成り果ててしまうのだ。

ゾンビになれば探偵も犯罪者も関係ない。

生者の肉を求めて徘徊するのみ。

「そんなのは御免だね…!」

翔也の眼に光が宿る。

彼は逆に自らゾンビに組み付いた。

そして二階の転落防止用の手摺りにゾンビと共に突進!

「てめぇみたいな悪党に食い殺されるくらいなら!」

そのまま手摺りを乗り越えて階下へと転落する!

「てめぇを道連れにしてやるぜ!」

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