屍都市Ⅱ
理子は最愛の妹の親友だ。

年齢も華鈴とほぼ同じである理子は、颯太から見ればもう一人の妹のようなものだ。

美原市の事件の事はもう忘れて、穏やかに生活して欲しい。

それが妹を看取ってくれた少女に対する颯太の想いなのだが…。

「大丈夫ですよ」

理子は微笑む。

「颯太さんが思っているほど、危ない事はしていません。ただ…私達と同じような目に遭う人が少しでも減るように、力になりたいだけなんです」

「そうか…」

コーヒーをもう一口飲み、苦笑いを浮かべる。

決心は固いようだ。

これ以上颯太が何を言っても、かえって頑なになってしまうだけだろう。

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