屍都市Ⅱ
榛原は手にしたアサルトライフルを構える。

「ところでこういう国からの依頼ってのは守秘義務があってよ…部外者に知られるのは何かと具合が悪いんだよ…お前、陰島や美原市の事件の事、コソコソ嗅ぎ回ってるんだって?噂には聞いてるぜ?」

「ああ」

颯太は物陰に隠れたまま言う。

「てめぇみたいな分別のつかないクズ野郎にお灸を据えるのが、俺達ジャーナリストの仕事なんでね」

「おぉ、かっこいいね」

嘲るように榛原は笑った。

「どうだい、ちょいとその情報を黙っててくれれば、ここは見逃してやってもいいんだぜ?俺も人殺しなんて良心が痛むしよ」

よく言うぜ…。

颯太は心の中で毒づく。

ついでに。

「てめぇみたいなクズ野郎は、そうやって油断させといて背後から撃つのさ」

心の中だけでなく、直接毒づいてやる。

「はっはっはっ!違いねぇや」

さも可笑しいと言わんばかりに笑った後。

「じゃあ死ねよ」

榛原は銃のトリガーを引いた!

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