屍都市Ⅱ
このままではやがて殺される。

何とか…せめてあの改良型寄生虫だけでも誰かに託す事ができれば…!

焦れば焦るほど、颯太の逃げ場はなくなっていく。

「!」

ついに壁際に追い詰められた。

「何だ…ネタを追いかけるのは上手くても逃げるのはヘタクソだな」

颯太を嘲る榛原。

その照準が、颯太の額にピタリと合わせられる。

「何か遺言は?聞くだけ聞いてやるよ。すぐ忘れるけどな」

どこまでもふてぶてしく憎々しい榛原。

そんな彼に、颯太は遺言を残す。

ニヤリと笑って。

「『皆さん』もてめぇの所業にはご立腹だとさ」

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