屍都市Ⅱ
随分とまた唐突な質問だ。

「…戦場や被災地で役立ちそうな技術はあらかた身につけている。空自(航空自衛隊の略)に知り合いがいてな。操縦を教わった事がある。正式な資格を持っている訳じゃないが…」

「十分よ」

純はニッと笑った。

「やっとこの街から脱出する目処が立ったわ」

その言葉から察するに、彼女達はヘリでの脱出を図るようだ。

「空港か?」

最初に思いついた、ヘリのありそうな場所を挙げる鬼島。

「いえ、空港も立ち寄ってみましたが、もうゾンビ達が蔓延していました~…」

恐縮そうに山田が言う。

ならば他にどこにヘリがあるというのか。

空港になければ…。

「あら、自衛隊員ともあろう者が頭が固いわね」

純がまたも笑う。

「案外この街ならではの場所にあるかもよ、鬼島さん?」

< 157 / 214 >

この作品をシェア

pagetop