屍都市Ⅱ
腕組みをして、思案に耽っている時だった。

「ここで張ってるって事は、満更ただの探偵ごっこでもないって事だな」

翔也の背後で声がする。

「…いつ声をかけてくるのかと思ってたよ」

別段驚くでもなく、翔也は振り向いた。

彼の背後に立っていたのは九重 颯太だった。

「驚かないんだな、見ず知らずの人間に背後をとられてたってのに」

薄く笑う颯太。

翔也はズボンのポケットに手を突っ込んで笑い返す。

「職業柄気配を読むのは慣れててね…それにあんたから感じる気配は物騒じゃなかった…昔警察の捜査に同行してて、殺し屋の殺気って奴を真正面から受けた事がある…あれに比べればあんたの気配なんて何て事ないさ…鏑木 京って殺し屋知ってるかい?」

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