屍都市Ⅱ
そうやってゾンビの包囲網を突破し、二人を乗せたパトカーは榑市の市街地へと入っていく。
嵐の前の静けさだろうか。
市街地にはゾンビの姿は見受けられない。
「ここらは安全なようだな」
スピードを緩め、運転しながら颯太が呟く。
「なぁ、あんたはこの街に何の用なんだ?」
颯太は深幸の方を見る。
「あら、女性のプライベートを根掘り葉掘り訊くのは失礼よ?新聞記者だけあってデリカシーないわね」
小悪魔的な笑みを浮かべ、深幸が軽く返す。
流石の颯太も彼女には形無しだ。
「…俺はこの街の製薬会社に向かおうと思う」
榑市には全国規模の大手製薬メーカーの本社がある。
美原市大災禍以降、そのメーカーで寄生虫に対するワクチンが開発されているという情報を、取材で入手していたのだ。
嵐の前の静けさだろうか。
市街地にはゾンビの姿は見受けられない。
「ここらは安全なようだな」
スピードを緩め、運転しながら颯太が呟く。
「なぁ、あんたはこの街に何の用なんだ?」
颯太は深幸の方を見る。
「あら、女性のプライベートを根掘り葉掘り訊くのは失礼よ?新聞記者だけあってデリカシーないわね」
小悪魔的な笑みを浮かべ、深幸が軽く返す。
流石の颯太も彼女には形無しだ。
「…俺はこの街の製薬会社に向かおうと思う」
榑市には全国規模の大手製薬メーカーの本社がある。
美原市大災禍以降、そのメーカーで寄生虫に対するワクチンが開発されているという情報を、取材で入手していたのだ。