屍都市Ⅱ
高田 マリ(たかた まり)
その日、牧師におつかいを頼まれたマリは、小走りに家である山手の教会へと帰る途中だった。
随分遅くなってしまった。
本当はもう少し早くに帰るつもりだったのだけれど、つい道草を食ってしまったのだ。
牧師はとても優しく、マリによくしてくれるけど、門限が早過ぎるのが唯一の不満と言えば不満だった。
もう周囲もすっかり暗くなってしまっている。
帰宅したら牧師に叱られるだろうか。
その事が嫌な反面、嬉しくも思う。
…マリに両親はいない。
彼女が物心つく前から、両親はいなかった。
マリは教会の前に無造作に置いていかれていたのだと、牧師はやや言いにくそうに語って聞かせてくれた。
随分遅くなってしまった。
本当はもう少し早くに帰るつもりだったのだけれど、つい道草を食ってしまったのだ。
牧師はとても優しく、マリによくしてくれるけど、門限が早過ぎるのが唯一の不満と言えば不満だった。
もう周囲もすっかり暗くなってしまっている。
帰宅したら牧師に叱られるだろうか。
その事が嫌な反面、嬉しくも思う。
…マリに両親はいない。
彼女が物心つく前から、両親はいなかった。
マリは教会の前に無造作に置いていかれていたのだと、牧師はやや言いにくそうに語って聞かせてくれた。