屍都市Ⅱ
その事は別段気にしていない。
だって、両親の顔なんて覚えていないのだから。
知らない両親の事を涙ながらに語られても、マリはピンと来ない。
だけど同じ小学校の同級生達が、親に叱られたとか誉められたとかいう話をしていると、羨ましく思う時もある。
マリには叱ってくれる父親も、誉めてくれる母親もいないのだ。
だから門限に遅れたマリを叱ってくれる牧師の事は、嫌いでもあり好きだった。
…街灯すらない路地を、駆け足で急ぐマリ。
その時だった。
普段人通りのない路地の陰に、数人の声が響いていたのに気づいたのは。
だって、両親の顔なんて覚えていないのだから。
知らない両親の事を涙ながらに語られても、マリはピンと来ない。
だけど同じ小学校の同級生達が、親に叱られたとか誉められたとかいう話をしていると、羨ましく思う時もある。
マリには叱ってくれる父親も、誉めてくれる母親もいないのだ。
だから門限に遅れたマリを叱ってくれる牧師の事は、嫌いでもあり好きだった。
…街灯すらない路地を、駆け足で急ぐマリ。
その時だった。
普段人通りのない路地の陰に、数人の声が響いていたのに気づいたのは。