屍都市Ⅱ
そんなマリと擦れ違うように、一人の若い男が歩く。

短く刈り揃えた髪。

身長178センチ、体重70キロ。

決して小柄という体格ではない。

筋肉質で精悍な顔付き。

新聞記者という肩書きには不釣り合いなほど、その体躯は鍛え込まれていた。

男は両手をポケットに突っ込んだまま、ファミレスへと入っていく。

席の案内をしようとする店員に、待ち合わせである旨を告げていると。

「颯太さん!」

高校生くらいの少女が、彼に向かって手を振った。

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