屍都市Ⅱ
どんなに現実逃避しても、始まってしまった悪夢は変わらない。
「!」
ガシャン!という窓の割れる音。
同時にマリの部屋まで漂ってくる、肉が傷んだような饐えた臭い。
引き摺るような足音、不明瞭な呻き声…。
そっと部屋の中から外の様子を窺うと、見慣れない人影が数人、教会の中を右往左往しているのが見えた。
礼拝に訪れる敬虔な人々とは違う。
引き裂かれ、血で汚れ、薄汚くなった衣服をぶら下げた土気色の顔の人々が、神聖な教会内を徘徊している!
「~~~~~っっっ!」
声なき悲鳴を上げ、マリは部屋から駆け出した。
物音を立てればゾンビに見つかるとか、そんな思考が働く筈もない。
ただ恐怖心に駆られ、教会内に侵入してきたゾンビ達から逃げる事しか考えられなかった。
「!」
ガシャン!という窓の割れる音。
同時にマリの部屋まで漂ってくる、肉が傷んだような饐えた臭い。
引き摺るような足音、不明瞭な呻き声…。
そっと部屋の中から外の様子を窺うと、見慣れない人影が数人、教会の中を右往左往しているのが見えた。
礼拝に訪れる敬虔な人々とは違う。
引き裂かれ、血で汚れ、薄汚くなった衣服をぶら下げた土気色の顔の人々が、神聖な教会内を徘徊している!
「~~~~~っっっ!」
声なき悲鳴を上げ、マリは部屋から駆け出した。
物音を立てればゾンビに見つかるとか、そんな思考が働く筈もない。
ただ恐怖心に駆られ、教会内に侵入してきたゾンビ達から逃げる事しか考えられなかった。