屍都市Ⅱ
イカレてやがる!
手に残る撲殺の感触に顔を顰めながら、天坏はまた走り出す。
若い頃は喧嘩もしたさ。
ちょっとヤンチャが過ぎて、警察の世話になった事も一度や二度じゃない。
だが殺しまではした事がない。
俺ぁ筋の通ってねぇ事だけはやった事がねぇのが自慢なんだ。
なのに…。
「くそっ!」
血に塗れた鉄パイプを投げ捨て、誰にともなく罵声を浴びせる。
殺るか殺られるか、だと?
そんなの筋が通ってねぇ!
人間そこまでやっちゃなんねぇだろうが!
…勿論天坏の言い分は正しい。
人が人の命を奪う事など、本来あってはならない事。
しかし、今この街ではその『筋』は通らない。
死にたくなければ殺るしかない。
相手は言葉も感情もなく生者を食らうゾンビなのだ。
手に残る撲殺の感触に顔を顰めながら、天坏はまた走り出す。
若い頃は喧嘩もしたさ。
ちょっとヤンチャが過ぎて、警察の世話になった事も一度や二度じゃない。
だが殺しまではした事がない。
俺ぁ筋の通ってねぇ事だけはやった事がねぇのが自慢なんだ。
なのに…。
「くそっ!」
血に塗れた鉄パイプを投げ捨て、誰にともなく罵声を浴びせる。
殺るか殺られるか、だと?
そんなの筋が通ってねぇ!
人間そこまでやっちゃなんねぇだろうが!
…勿論天坏の言い分は正しい。
人が人の命を奪う事など、本来あってはならない事。
しかし、今この街ではその『筋』は通らない。
死にたくなければ殺るしかない。
相手は言葉も感情もなく生者を食らうゾンビなのだ。