僕らの時間
「え?」
彼女も顔をあげた。
…やっべえ。
「いや、なんにも…つか、
ぶつかってんじゃね、ねーよ!」
…可愛い…やばい可愛い。
思わず動揺してしまう。
さらに動揺してしまったのは
「ごめんなさいっ、前見てなくて…」
そう言って手を差し延べてきたからだ。
しかしシャイな俺は言ってしまう。
「な…、一人で立てるし!」
…もー俺さいてー。
「腕怪我してるじゃん…ね」
「………」
早まっていくばかりの鼓動と、
顔が熱くなっていくのがわかる。
それはそれは、痛いほどに。