恋愛相談
第一章
夢みる少女
「美紅…」
目の前にいる五十嵐徹クンが、濡れた瞳で私の名前を呼ぶ。
とくん、と心臓が音をたてる。
今、私は、自分の部屋で大好きな五十嵐クンと二人っきりの状態。
しかも家族は全員用事で出かけているから、家全体で考えても、いるのは二人だけ。
もちろん、今日五十嵐クンを家に呼んだのは、そのことをわかっていたうえ。
普段なら散らかっているはずの私の部屋も、昨日の間に大掃除をしておいたので、どこかのモデルルーム並みにきれいになっている。
嗚呼、今日のこの日をどれだけ待ちわびていたものか!
私と五十嵐クンとのあいだは、テーブルを挟んだだけ。
ものすごく至近距離。
うわぁ、男の人なのにまつげ長い…
かっこいいなぁ…
こんな間近にいるなんて初めてだから、ついつい観察してしまう。
じいっと見つめていると、「ん?」と首をかしげる五十嵐クン。
優しいまなざし。
ちょっとかわいいかもっ。