吸血鬼のオヒメサマ
☆希羅side☆
その後あたしが目覚めたのはさらに2日経った夜だった。
2日も寝るとやっぱり何も食べていないわけで、声も掠れれば、
ふら付くし、真直ぐ立てない!なんて事になったけど、
愁斗さんのおかげですっかり元気になりました。
2人は此処に居て良いって言ってくれたけど、あたしは邪魔じゃないのかな?
あたしが元気になってから毎日そう思うようになって、
相談はできないから、お屋敷の中で夜を待つコウモリたちや、森の動物達とお喋りする ようになった。
そして今日もコウモリさん達とお喋りをしてる。
いつも窓のない地下室にいるから部屋は真っ暗でコウモリの場所なんて分かんないんだ
けど、あたしはイルカや、コウモリたちが発する超音波でさえも聞きとり、
何故か普通に話して言葉が通じる。ちなみに2人はこの事を知らない。でも煉斗さんは あたしみたいにコウモリとは話せるんだって!
村人は偶々この光景を見て悪魔の子って言い出したのかもしれないね。
『…じゃああたしが追放されてたところもバッチリ皆は空から見てたの?!』
【えぇ。あの時は私達にはどうすることもできなくて、愁斗様をなんとか外に連れ出す 事しか出来なかったの…。】
『いいんだよ~!みんなのおかげであたしは生きていられるんだもん!』
あたしが今話してるのは、愁斗さんのコウモリのグレアさん。
コウモリたちの中で2番目に賢いんだって!
1番は・・・
【・・・。だとしてもな、お前がここにいられるのには双子の王子のおかげでもあるし、そこは俺たち以外にも感謝しなきゃいけない】
この子は、ラルラくん。
少しみんなとは違ってクールな1面があってとってもいい子なんだ。
2人は知らないみたいだけど・・・。
それから2人に探されてるという知らせをグレアさんから聞くまで、ずっとお喋りしていた。
☆希羅side end☆