吸血鬼のオヒメサマ
☆希羅side☆
痛い…。
痛いよ…。
心が…痛いよ…。
あたしは昔から…って、まだ14歳だけど、きっとあたしが5歳のころ。
村の大人達から“悪魔の子”と言われ続けた。
どうしてかなんて…そんなの決まってる。
あたしが…
きっと悪い事をしたから…。
記憶なんてないけど、みんながそう言うならきっとそうなんだ…。
だからどれだけ殴られても、
どれだけ怪我をさせられても、
どれだけ傷ついても、
あたしは村に居続けた。
数少ない中の楽しい思い出があったから。
お父さんとお母さんはあたしが7歳の時、どこかへ行って帰ってきてない。けど、それまでの毎日は楽しかった。だから村にいた。
でもね、
ついに昨日の夜、村を追放された。
あたしが村にいると災いが起こるんだって。
あたしが留守の時はみんな楽しいんだって。
でも、あたしがいたら皆は不幸になるんだって。
だから村長さんに追い出されちゃった。
あたし、今まで何も言わないで、沢山頑張ってきた。
住む家があるだけましだなぁ、って思ってたし、食べ物を少しだけでもくれたからあたしはこうして生きてるんだって思ってた。
追い出されて、森の中に捨てられた時も何も言わなかった。
でもね、わかんないけど…
心が痛いの…。
なんでだろうね。
それにね、目から沢山の水がこぼれてくるの。
なんていうんだろうね…。
あたし、14歳だけど何も知らない。
だから目から零れ落ちていくモノが何なのかも、
知らない。
村の外から出たことも無かったから、森の中に置いてかれて、
どうしたらいいのかなんて知らない。
だからずっとあてもなく森の中を歩いてたの。
そしたらあたしよりもずっと背の高い男の人に会ったの。