吸血鬼のオヒメサマ
 

 「あの子…、やっぱり悪魔の子、みたいだね」
  
 「そうだな…。愁、あいつをどうする気だ?」

 「煉斗こそ…。興味なさそうにしてるけど、来たってことは一応興味あるんでしょ?それに、あの子の事、見捨てられないし、ここで引き取ろうかなって」

 「あいつさえ嫌でなければ、な…」

 「あの子が…もしかしたら俺らの希望かもしれないな」

 「だったら…・片方は苦労するな。きっと」

 「けどまぁ、未来は今からでも変えられる。期限はあと2年。
 あの子がどんな決断はするかは…その時次第だ」









 こんな話しをしている間に30分かけて少女は食べ終えて、俺達の方を見た。





 『あたしと一緒にいると…不幸になるんじゃないですか…?』




 少女はいきなりそんな事を言い出した。




 「大丈夫。俺たちは人間じゃないからね」



 『森の…吸血鬼さん?』

 「そう呼ばれているなら、そうだ」
 
 『あたし…邪魔…ですよね?す、すぐ出ていきますっ』

 「あ、おい!」




 まだ怪我治ってないし、それに、目が虚ろなままだ。
 それに、俺が興味を持った小さな女の子だから、もう少し手元に置いておきたい、と思いベットから勢いよく立って、ふらついた少女の身体を無意識に受け止めていた。





 「まだ怪我、治ってないし、体力が戻るまで寝てなきゃだめだよ」

 
 愁が諭すように言った。


 
 『でも…』

 「俺達がいいと言っているんだ。素直に聞いたらどうだ?」

 『…2人の…名前は?あたしは…希羅』

 「俺は双子の兄、煉斗」

 「俺は双子の弟、愁斗」

 


 って、なんで俺普通に答えてるんだ? 

 まぁ、いいか。

 
 
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