吸血鬼のオヒメサマ


 それからもう一度布団の中に戻ったあたしは2人に名前を聞いていた。




 『…2人の…名前は?あたしは…希羅』

 「俺は双子の兄、煉斗」

 「俺は双子の弟、愁斗」




  優しそうな人が愁斗さん。
  無表情で、髪を撫でてくれたり、ところどころ優しい人が煉斗さん。

  


 そしてあたしは安静にして居ようって言おうとした愁斗さんの言葉をさえぎって、
どうしてあたしが村を出ているのか、今まであたしがどんな道を歩んできたかを言った。



 全部を話し終わってからも2人の態度は変わることなく、寧ろあたしなんかの人間に興味なんてなさそうな煉斗さんがあたしを抱きしめていた。



 それからあたしは煉斗さんが抱きしめている腕の中で、もう一度眠りについた。





  ☆希羅side end☆
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