HEAVEN -天国の階段- (全106話)

■問題発言

【心配されて不快になる人なんて…】

まるであそこは人生相談所…
私の望む答えをくれる。


『友利、昨日はごめんね…』

後は私の勇気だけ…

『あのね、本当に小林が好きとかじゃないの… ただ友利が傷付いたらって心配で…』

もしかしたら早口すぎて通じないかな…
私、ちょっと焦りすぎてる。

そう思い一旦、言葉を止める。
すると代わりに友利が口を開いた。

「小林さ… 結構な人数にアドレス聞いてんだって。」
『…え…?』
「カンナが昨日言った事、気になってね…」

じゃあ…
調べたの…?

「ってかカンナも悪いんだよー? いつも恋バナなんて無関心のくせに昨日に限ってムキになるんだもん!」

友利はそう言うと私の顔を指差す。

ってか友利…
顔が真っ赤だよ…?

『む、無関心じゃなくて… 恋愛とかよく解んないし…』

無知な人間が口出しても迷惑かなぁ…って…

「解んないって… カンナ、モテてんじゃん。」
『でも…ッ 彼氏とかいた事ないし…!!』
「…はぁ?!」

私の言葉に友利は相当驚いたのか、目を丸くして背中をのけ反った。

その反応…
超失礼…

だから言ったでしょ?
恋愛経験0だって…







夕方、HEAVEN…

『へー… んじゃ仲直りはしたんだ?』
『…お蔭さまで…』

今日の事を恭平に報告。
恭平は人事のように笑っていた。

『でも高校生の感覚ってわかんねーなぁ…』

お客様がいないのをいい事に、カウンター席に座る恭平。

『何が?』
『俺、カンナが男慣れしてないのなんてすぐに分かったよ?』
『ふーん… どこで?』

何だか少し嬉しくて…
でも恥ずかしくて目を反らす。

その瞬間…
恭平の親指が私の下唇をなぞった。

『キスした時の反応…』
『…んなッ…』

何でこの人は寝た子を起こすような発言を…ッ
せっかく忘れてたのに!

『恭平の馬鹿…』
『んー? 褒めてんの?』

…褒めてないよ…
< 29 / 107 >

この作品をシェア

pagetop