HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■恐怖心
【俺には関係ないけど】
恭平の言葉に、何も返す事が出来なかった。
だって確かに「関係ない」から…
恭平は私の家族でも友達でも…
ましてや恋人でもない。
それなのに一体、どんな答えを望んでいたんだろう…
「じゃあ1時間後に駅に集合ね!」
放課後、友利の言葉でメンバーは一時解散。
それぞれの家で着替え、待ち合わせ時間まで待機。
相手の男の人がどんな人か…
いくつの人か…
まだ何も知らされてない。
『ハァ…』
あんなに誘ってもらいたかったのに、気分がのらないなんて…
どうしてだろう…
1時間あっという間に過ぎてしまい、待ち合わせ場所にメンバーが現れる。
女の子3人、男の子3人の少人数の合コン。
初心者の私には調度いいかも知れない。
カラオケに入って適当な飲み物をオーダー…
食べ物もピザやポテチと適当な物。
「じゃあ、同じ歳なんだねー!」
どうやら男の子達は近くの男子校の1年生。
男子校故に出会いが無いらしい…
「カンナちゃんって名前、珍しいよねー! どう書くの?」
『あ… カタカナ…なの…』
幹事らしき男の子、勇治くんがよく話し掛けてくれる。
笑顔が無邪気な男の子…
【10月生まれ?】
あ…
何でかな…
【神様はいないよ カンナがいるから】
こんな時に恭平の言葉が浮かぶ。
「カンナちゃん、今度の休みに会わない? 2人で…」
勇治くんは皆に気付かれないよう、耳元でソッと囁いた。
そして携帯番号が書かれたメモ用紙を私のポケットに入れる。
『あ、あの…ッ』
「カンナちゃん可愛ーから特別♪」
悪い気はしない。
だけど…
何だか凄く恐かった…