HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■合コンの後で

「あー、楽しー!」

男の子達を部屋に残し、友利と茜と私…
3人はお手洗いに来た。

「カンナは誰がいい?」

友利は手を洗う私に声を掛ける。

『まだよく解んないんだ…』

今日会ったばかりの男の子達。
やっぱり少し警戒してしまう。

「私、勇治くんかなー! カッコイイよね♪」

無邪気な笑顔を見せる茜。

『か、彼氏は?』
「微妙ー…なんだよね、最近…」
『…そっか…』

最近、付き合ったばかりの彼氏ともう微妙な関係。
だから恋愛って解らない。

ちょっと理解不能…





「んじゃ、解散って事で!」

夜、10時…
解散となったわけだけど…

「楽しかったね、カンナちゃん!」

何故か方向が同じという事もあって勇治くんに送られる私。
意味不明…

『あの、さっきの事なんだけど…』
「ん? デートのお誘いの事?」
『うん… 私、やっぱそういうのは…』

正直「恐い」というのもあるし、「無駄」というのもある。

きっと私は彼を好きにならない…
彼にとって、そんな私は無駄に過ぎない。

そう説明しようとした、その時…

『きゃ…ッ!』

物凄い力で腕を掴まれた。

「そんなの軽く考えればいーじゃん! たかがデートなんだからさ!」

掴まれた腕はブルッと震えた。
恐い…

これが男の人の力…?



『はいストーップ。 送り狼なんて今時、流行んないよ?』

あ…
この声…

『…恭平…』

声を聞いただけ…
顔を見ただけなのに安心する…

「な、何なのあんた…ッ」
『それ俺の台詞。 馴れ馴れしく触ってんじゃねーよ…』

恭平はハァと溜め息をつくと、私と彼の手を解く。

何でここにいるの?
お店はどうしたの?
何で助けてくれるの?

聞きたい事は山ほどある。

だけど…

『ありがと、恭平…』

今は恭平が来てくれただけで嬉しく思う…
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