HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■恋?

『…正解!』

勉強を教えてもらうようになって3日目…
なんとか正解率が60%を越えた。

『恭平のおかげだねー!』

嬉しさのあまり、つい恭平の手を握ってしまう。

『どういたしまして。』

でも恭平は動じる事なく、笑顔を見せた。


この密閉された空間の中…
恭平は一度も動揺した事がない。

お泊りは2度…
遊び(?)に来たのは5度目。

恭平は私といて、何も思わないのだろうか。
…私はこんなに緊張してるのに…


『残り3日かぁ… どう? いけそう?』
『う、うん! とりあえず…』
『そ、良かった。』

優しく笑う笑顔や声…
しぐさなんかも…
胸を熱くさせる…

『ねぇ恭平… 頑張っていい点とったらさ…』
『うん?』
『…どっか遊びに連れてってくれる?』

もしかしたら私…
恋をしてるのかも知れない。

『…2人で?』

恭平はそう言うと、真っ直ぐに私を見た。
真っ黒な瞳が緊張感を高める。

『だ、だって…愛里まで来たらお店が…ッ それに賑やかなのって苦手で…』

こんなの言い訳だ。
私はただ、恭平との時間を増やしたいだけ。

やっぱりコレは、恋かも知れない…

『そんな必死に言い訳しなくても… ただ人数聞いただけだから。』
『へ? 人数?』
『うん、人数。』

な、なんだ〜…
焦って損したよ…

ホッと安堵の息を漏らした私の頭に、恭平の大きな手が覆いかぶさる。

『いいよ、せっかくだから車出して遠出しようか。』
『ほ、本当?!』
『うん、どこ行きたいか考えといて?』

恭平は優しい笑みを見せ、そう言った。
思わぬ返答に嬉しくなって私も満面の笑みを見せる。

【恭平と一緒にいたい】
それは最近になって強く思うようになった…
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