HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■恋が運ぶ物

恋愛…ってなんて不思議なんだろう…
ワケもなく何処からかやってくる。

私が恭平に恋をするきっかけなんて…
まるで解らない。



「休み時間まで勉強? 急にどうしたの?」

昼休み、教科書と睨めっこしていた私に友利と茜が声を掛けてきた。

『今回は… どうしてもいい点取りたいの…』

だって恭平と約束したから…

「何で何でー? そりゃいい点の方がいいに決まってるけど…」

目をキラキラと輝かせて友利は身を乗り出す。
今までにないくらい興味津々…

『実は… テスト頑張ったら何処かに連れてってくれるって、人と約束してるの。』
「ふーん… ってか男でしょっ?!」
『えッ?!』

友利の言葉に心臓がビクリと跳ねた。
今まで誰とも男の子の話なんてした事ないし…
ましてや好きな人の事なんて…

「なんか安心しちゃったー!」
『え…?』

安…心…?

「だってカンナのそんな話聞いた事ないじゃん? 興味ないのかなーって思ってたよ!」
『そ、そんなわけじゃ…』

ただ本当に好きな人がいなかっただけで…

「まぁ、私じゃ役に立たないかも知れないけどっ 相談してね?」
『…相談…?』

今までどれだけ欲しいと願っただろう。

友人、親友…
相談相手…

欲しくても誰もいなかった。

『うん… 相談…のってね?』

恋を始めたら…
自然と出来ちゃった…
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