HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■人間の不思議
○Side MARIA
「駄目」と解っていて「禁忌」を犯す。
人間は何て可笑しな生き物だろう…
「マリアったらいつになったら私と付き合ってくれるの?」
HEAVEN閉店後、グラスを洗っていた俺に愛里はそう問い掛ける。
『愛里さん… それは真面目に答えを望んでる?』
「もちろんよ。 私、冗談は言わないわよ?」
『…』
…と言ってもねー…
「男」だし…
『…愛里… 俺はこう見えて子供は好きなんだ。』
「…どういう事?」
『付き合うなら子供の産める女がいい…』
「…」
納得したのかしないのか…
複雑な表情を浮かべる愛里。
人間は不思議だ。
本来、動物なら雄(オス)が雄を好きになるなんて有り得ない。
ましてや身体(イレモノ)と心(ナカミ)が噛み合わないなんて…
「私、遠い国で子宮を移植してくるわ!」
『…頑張って…』
でもどうにも出来ない。
抑制する事も解放する事もない。
噛み合わないまま生きていくだけ…
俺が紗羅を想いながら生きていくのと同じように…
『ねぇッ 追試も補習も無しだった!』
週初め。
テストの結果が出たのか、カンナは嬉しそうにHEAVENにやってきた。
『恭平のおかげだよー! 初の補習組脱出!』
カンナの手には×より○の多い答案用紙…
俺まで嬉しくなる。
『じゃあ何処行きたい? 頑張ったご褒美に…』
『楽しい所! 恭平のオススメの場所は?』
カウンターに身を乗り出すカンナ。
よっぽど嬉しかったんだろう…
『んじゃ日曜までに俺が考えとくね?』
『うん!』
こういう所…
正直、可愛いと思う。
○Side MARIA
「駄目」と解っていて「禁忌」を犯す。
人間は何て可笑しな生き物だろう…
「マリアったらいつになったら私と付き合ってくれるの?」
HEAVEN閉店後、グラスを洗っていた俺に愛里はそう問い掛ける。
『愛里さん… それは真面目に答えを望んでる?』
「もちろんよ。 私、冗談は言わないわよ?」
『…』
…と言ってもねー…
「男」だし…
『…愛里… 俺はこう見えて子供は好きなんだ。』
「…どういう事?」
『付き合うなら子供の産める女がいい…』
「…」
納得したのかしないのか…
複雑な表情を浮かべる愛里。
人間は不思議だ。
本来、動物なら雄(オス)が雄を好きになるなんて有り得ない。
ましてや身体(イレモノ)と心(ナカミ)が噛み合わないなんて…
「私、遠い国で子宮を移植してくるわ!」
『…頑張って…』
でもどうにも出来ない。
抑制する事も解放する事もない。
噛み合わないまま生きていくだけ…
俺が紗羅を想いながら生きていくのと同じように…
『ねぇッ 追試も補習も無しだった!』
週初め。
テストの結果が出たのか、カンナは嬉しそうにHEAVENにやってきた。
『恭平のおかげだよー! 初の補習組脱出!』
カンナの手には×より○の多い答案用紙…
俺まで嬉しくなる。
『じゃあ何処行きたい? 頑張ったご褒美に…』
『楽しい所! 恭平のオススメの場所は?』
カウンターに身を乗り出すカンナ。
よっぽど嬉しかったんだろう…
『んじゃ日曜までに俺が考えとくね?』
『うん!』
こういう所…
正直、可愛いと思う。