HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■嫉妬心

おそらく高かっただろう黒の乗用車…
高校生じゃまず連れてってくれないだろうレストラン…

周りにいる異性と全てが違う。

金があるから好きになったわけではないけど、恭平のこういう所に魅力を感じてしまう。


『美味しい…ッ』

昼食は少しお値段の高いハンバーグ。
ファミレスのハンバーグとは比べものにならない美味しさ…

『カンナって可愛いよね。』
『へ?』
『素直ってか、純粋ってか… 反応が新鮮で可愛い。』

苦笑しながら言う恭平。

『褒められた気、しないんだけどー…』

何だか子供扱いされたみたい。
どうせ男慣れしてないですよーだ…

『褒め言葉だってば… おごられて当たり前の顔する女なんて可愛くないじゃん。』
『…そうだけど…』

当たり前の顔をする女って…
恭平は誰の事を言ってるんだろう。

他の女の人とも、こうして食事したりするのかな…?
車に乗せたりするのかな…?

だったら…少し嫌だな…


『…ンナ…カンナ?』
『え…?』
『どうした? 急に黙り込んで…』

ヤバイ…
変なふうに思われちゃう。

『…何でもないよ! 全然、平気!』

怪しまれないよう、笑顔を見せる。
すると恭平も安心したように笑ってくれた。

ドロドロの嫉妬心…
こんな感情があるなんて、自分でも信じられない。

恭平に恋人がいたら…
好きな人がいたら…

そう思うだけで息が詰まる。
< 51 / 107 >

この作品をシェア

pagetop