HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■一生傍に

ねぇ、恭平…?
私の気持ちを知ったら恭平はどんな顔をする?

笑ったりするのかな…

私、16歳で子供だけど…
本気で恋してるんだよ?




『海、海、海〜!』

目の前に広がるのは、壮大な海。
海を見るのは子供の時以来…

『ねぇ恭平っ 鳥がいっぱい!』

茶色に白、首だけ青いやつも…
数え切れない程の鳥達が波に浮かぶ。

『カモだよ! 見た事ない?』

恭平は無邪気な笑顔を見せると岩に腰を下ろした。

『こんなにいっぱいのカモは初めて!』

カモ達は私達が来た事に気付き、羽を広げて遠くへ場所を移したよう。

『カンナ、こっち来て!』

恭平に呼ばれるまま岩に上る。
すると岩と岩との隙間に小さな魚が見えた。

2匹の魚は仲良く寄り添いながらクルクルと泳いでみせる。

『…恋人かなぁ…?』

同じように魚を見る恭平に声を掛けると、恭平は少し苦笑してた。

『ね、恭平…』
『うん?』
『恭平は彼女いるの…?』

ずっと気になってた事…
ようやく口に出せた。

『いないよ。 いたらカンナにあんな事しない…』

恭平はそう言うと、ニコッと笑顔を見せる。
その笑顔は何故か少し寂しげに見えた…

『…私…本当に恭平の傍にいていいの…?』

あの約束は生きてる?
その場限りじゃない?

私は恭平の支えになれる…?

『カンナ、空見てみて?』
『…空?』

突然の言葉に不思議に思いながらも顔を上げる。

その瞬間、恭平の意地悪な笑みで視界を奪われた。
そして重なる温かい唇…

『…俺…結構、しつこいから…』
『え…?』
『一生離れない自信…ある?』

少し照れたような顔…

そんな質問、答えなんてわかりきってるじゃない。

『自信満々だよ…?』

私は恭平の傍にいたい。

『うん、じゃあ俺の傍にいて?』

この先、何があっても…
何を知っても…

私は恭平の傍にいる。
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