HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■愛里の親友
どうしてHEAVENなんだろう。
どうしてParadiseじゃないんだろう。
天国という意味は同じなのに…
何度も…そう思った。
「何よ〜、また私だけお留守番?」
恭平とのデートを明日に控えた放課後、私はHEAVENに立ち寄った。
愛里はデートの事を聞くと膨れっ面を見せる。
『愛里が大変なのはよく解るんだけど…』
2人で切り盛りするお店。
愛里に頼るしか術はないんだ。
「冗談よ、楽しんでらっしゃい?」
愛里はクスクスと笑うと私の頭を静かに撫でた。
綺麗にメイクされた顔に似合わない男の手…
それなのにきちんと整えられた爪先…
「オカマ」という存在は今まで「異形」だと思ってきた。
『愛里ってー… メイク上手いよね…?』
こんなにも自然に付き合える事が不思議で仕方ない。
「ありがとう… カンナも少し練習してみる?」
『えッ 教えてくれるの?!』
「カンナに覚える気があるならね?」
『ある! あります!!』
突然の事に興奮した私は身を乗り出して答える。
「じゃあ頑張ってマリアを驚かせちゃいましょ?」
『うん!』
初めてしたメイクは少し派手なメイク。
ユカさんとマイさんがしてくれたもの。
…愛里がしてくれたメイクは…
「どう? 素材を活かしたナチュラルメイクよ♪」
違和感のないナチュラルな仕上がり…
『すご… きちんとメイクしてるはずなのに…』
そう。
確かにアイラインもシャドーも入れていた。
それなのに濃くなく自然。
『愛里、ありがとう!』
私は嬉しくなって満面の笑みで顔を上げる。
…あれ…?
愛里の目…
『赤いよ? 目…どうかした?』
それに悲しそうな顔…
「…あまりにカンナが似てるものだから思い出しちゃったの… 私の親友に…」
『親友? 私が?』
「紗羅っていうの… とても可愛い子よ?」
紗羅さん…
それが親友の名前…
どうしてHEAVENなんだろう。
どうしてParadiseじゃないんだろう。
天国という意味は同じなのに…
何度も…そう思った。
「何よ〜、また私だけお留守番?」
恭平とのデートを明日に控えた放課後、私はHEAVENに立ち寄った。
愛里はデートの事を聞くと膨れっ面を見せる。
『愛里が大変なのはよく解るんだけど…』
2人で切り盛りするお店。
愛里に頼るしか術はないんだ。
「冗談よ、楽しんでらっしゃい?」
愛里はクスクスと笑うと私の頭を静かに撫でた。
綺麗にメイクされた顔に似合わない男の手…
それなのにきちんと整えられた爪先…
「オカマ」という存在は今まで「異形」だと思ってきた。
『愛里ってー… メイク上手いよね…?』
こんなにも自然に付き合える事が不思議で仕方ない。
「ありがとう… カンナも少し練習してみる?」
『えッ 教えてくれるの?!』
「カンナに覚える気があるならね?」
『ある! あります!!』
突然の事に興奮した私は身を乗り出して答える。
「じゃあ頑張ってマリアを驚かせちゃいましょ?」
『うん!』
初めてしたメイクは少し派手なメイク。
ユカさんとマイさんがしてくれたもの。
…愛里がしてくれたメイクは…
「どう? 素材を活かしたナチュラルメイクよ♪」
違和感のないナチュラルな仕上がり…
『すご… きちんとメイクしてるはずなのに…』
そう。
確かにアイラインもシャドーも入れていた。
それなのに濃くなく自然。
『愛里、ありがとう!』
私は嬉しくなって満面の笑みで顔を上げる。
…あれ…?
愛里の目…
『赤いよ? 目…どうかした?』
それに悲しそうな顔…
「…あまりにカンナが似てるものだから思い出しちゃったの… 私の親友に…」
『親友? 私が?』
「紗羅っていうの… とても可愛い子よ?」
紗羅さん…
それが親友の名前…