HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■彼女の名は
【大丈夫、俺まだやりたい事いっぱいあるし】
【まだ死なない】
そう言って恭平が笑う。
それに対し何故か不安を抱いてしまった…
「やりたい事」
それを終えたら…
貴方はどうなってしまう?
『ど、どうでしょう…』
「ま、合格じゃないかしら。」
デートの当日。
愛里にメイクのチェックをしてもらう。
もちろん愛里に教えてもらったナチュラルメイク…
『髪型は? 服装もok?』
「カンナは心配性ねぇ… 変な所なんて1つもないわよ?」
そうは言われても、やっぱり不安になってしまう。
だって私は高校生…
恭平より5つも年下なんだもん…
「そんな事より、あれマリアの車でしょ?」
愛里は外に停まった黒の乗用車を指差す。
それは確かに恭平の車…
『早いよ恭平〜! まだ支度が出来てないのにぃ!』
「そんな事言ってないで早く行ってあげなさいよ!」
愛里に背中をドンドン押され店の外へと追い出される。
それと同時、助手席の窓が開いた。
『おはよー。 早く乗んなよ。』
恭平はそう言ってドアロックを解除する。
おはようって…
もう昼なのに…
『さっき起きたばっか?』
『うん、昨日は店が忙しくて…』
『そっかぁ、お疲れ様です!』
ほんのり香る甘い香りはなんだろう。
恭平のコロンか、車の芳香剤か…
どちらにしろ、私の好きな香り…
『ねぇ、今日のカンナ化粧してる?』
『う、うん! 変かな…』
『いや、別に…』
本当は「可愛い」って言ってもらいたかったけど、ちょっと図々しいかな…
そう思ったその時、恭平の長い指が私の頬に触れた。
『…恭平…?』
逆光で少し見づらいその顔は笑ってるのかな?
怒ってるのかな?
それとも……
『…ごめん。 知り合いに似てたから…』
恭平は手を静かに下ろし、優しく笑った。
この言葉…
愛里からも聞いたような…
【あまりにカンナが似てるものだから】
確か名前は…
『…紗羅さん?』
【大丈夫、俺まだやりたい事いっぱいあるし】
【まだ死なない】
そう言って恭平が笑う。
それに対し何故か不安を抱いてしまった…
「やりたい事」
それを終えたら…
貴方はどうなってしまう?
『ど、どうでしょう…』
「ま、合格じゃないかしら。」
デートの当日。
愛里にメイクのチェックをしてもらう。
もちろん愛里に教えてもらったナチュラルメイク…
『髪型は? 服装もok?』
「カンナは心配性ねぇ… 変な所なんて1つもないわよ?」
そうは言われても、やっぱり不安になってしまう。
だって私は高校生…
恭平より5つも年下なんだもん…
「そんな事より、あれマリアの車でしょ?」
愛里は外に停まった黒の乗用車を指差す。
それは確かに恭平の車…
『早いよ恭平〜! まだ支度が出来てないのにぃ!』
「そんな事言ってないで早く行ってあげなさいよ!」
愛里に背中をドンドン押され店の外へと追い出される。
それと同時、助手席の窓が開いた。
『おはよー。 早く乗んなよ。』
恭平はそう言ってドアロックを解除する。
おはようって…
もう昼なのに…
『さっき起きたばっか?』
『うん、昨日は店が忙しくて…』
『そっかぁ、お疲れ様です!』
ほんのり香る甘い香りはなんだろう。
恭平のコロンか、車の芳香剤か…
どちらにしろ、私の好きな香り…
『ねぇ、今日のカンナ化粧してる?』
『う、うん! 変かな…』
『いや、別に…』
本当は「可愛い」って言ってもらいたかったけど、ちょっと図々しいかな…
そう思ったその時、恭平の長い指が私の頬に触れた。
『…恭平…?』
逆光で少し見づらいその顔は笑ってるのかな?
怒ってるのかな?
それとも……
『…ごめん。 知り合いに似てたから…』
恭平は手を静かに下ろし、優しく笑った。
この言葉…
愛里からも聞いたような…
【あまりにカンナが似てるものだから】
確か名前は…
『…紗羅さん?』