HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■幸せの味
「好き」は無限に作られる。
恭平といると、そんなふうに思うよ。
『シャワー、ありがとう。』
洗いたての髪をタオルで乾かしながら部屋に戻る。
パジャマの恭平が笑顔で迎えてくれた。
そんな些細な事にも愛しさが生まれる…
『何飲んでるの? ビール?』
『うん、カンナも飲む?』
恭平はそう言って飲みかけのビールを差し出す。
『苦いの駄目…』
『あ、そっか。 甘いのなら平気? 酎ハイあるけど。』
…というか机の上には、ビールの空き缶が2本。
私がお風呂入ってる隙に…
『恭平って人の忠告聞かないよね…』
『そう?』
『さっき体壊すって注意したのに。』
空き缶を退かし、恭平の前に座る。
するとほのかにアルコールの匂いがした。
『一時期よりは減ったんだけどね、これでも。』
『嘘だぁ。』
『ホント、潰れるまで飲む時あったから。』
お酒の美味さ、魅力…
依存するワケ。
『どうしてそんなに飲むの…?』
私にはよく解らない。
『幸せじゃないから…かな。 不幸せな時間は早く終わらせたいから。』
恭平はそう言って空になった3本目のビール缶を机に置いた。
『…私じゃ役に立たない? 私じゃお酒やめられないかなぁ…?』
何だか悔しいよ。
目の前で飲まれるの。
幸せじゃないみたいで…
『役に立ってるよ?』
『え…?』
『今日、ビールが美味いもん。 カンナがいるから…』
優しい笑顔を見せて恭平は言う。
『不幸せな時のビールって美味くないの。 今日は本当に美味いから…』
馬鹿みたいだけど、そんな笑顔を見る度に本当に嬉しくなるんだ。
好きが溢れる…
『カンナ、俺……
恭平がそう言いかけた時、急に表情を変えた。
恐い物を見たような強張った顔…
…テレビ…?
《未解決の事件を超能力で追う! 今日の事件は……》
よくある捜査番組。
未だ解決していない事件を超能力者の透視で追う。
『…この事件…』
そう、それに出ていたのはあの事件。
HEAVENの近くの通り魔事件…
「好き」は無限に作られる。
恭平といると、そんなふうに思うよ。
『シャワー、ありがとう。』
洗いたての髪をタオルで乾かしながら部屋に戻る。
パジャマの恭平が笑顔で迎えてくれた。
そんな些細な事にも愛しさが生まれる…
『何飲んでるの? ビール?』
『うん、カンナも飲む?』
恭平はそう言って飲みかけのビールを差し出す。
『苦いの駄目…』
『あ、そっか。 甘いのなら平気? 酎ハイあるけど。』
…というか机の上には、ビールの空き缶が2本。
私がお風呂入ってる隙に…
『恭平って人の忠告聞かないよね…』
『そう?』
『さっき体壊すって注意したのに。』
空き缶を退かし、恭平の前に座る。
するとほのかにアルコールの匂いがした。
『一時期よりは減ったんだけどね、これでも。』
『嘘だぁ。』
『ホント、潰れるまで飲む時あったから。』
お酒の美味さ、魅力…
依存するワケ。
『どうしてそんなに飲むの…?』
私にはよく解らない。
『幸せじゃないから…かな。 不幸せな時間は早く終わらせたいから。』
恭平はそう言って空になった3本目のビール缶を机に置いた。
『…私じゃ役に立たない? 私じゃお酒やめられないかなぁ…?』
何だか悔しいよ。
目の前で飲まれるの。
幸せじゃないみたいで…
『役に立ってるよ?』
『え…?』
『今日、ビールが美味いもん。 カンナがいるから…』
優しい笑顔を見せて恭平は言う。
『不幸せな時のビールって美味くないの。 今日は本当に美味いから…』
馬鹿みたいだけど、そんな笑顔を見る度に本当に嬉しくなるんだ。
好きが溢れる…
『カンナ、俺……
恭平がそう言いかけた時、急に表情を変えた。
恐い物を見たような強張った顔…
…テレビ…?
《未解決の事件を超能力で追う! 今日の事件は……》
よくある捜査番組。
未だ解決していない事件を超能力者の透視で追う。
『…この事件…』
そう、それに出ていたのはあの事件。
HEAVENの近くの通り魔事件…