HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■明けても暮れても
朝が来て夜が来る。
夜を越し朝になる。
どんなに悲しくても時間は止まらないんだ…
『いらっしゃいませ、何にします?』
私が頬を濡らしながら眠る夜。
遠くの街では恭平がいつもと変わらず存在する。
お客さんにお酒を振る舞い、話し…
そして笑う。
それを想像するだけで、また涙が溢れた。
「忙しいわね、毎日…」
『そう? いつもより暇に感じたけど。』
愛里の言葉に恭平は笑顔で返す。
「…それはカンナがいないからだわ、きっと。」
『そうかな?』
「そうよ。 寂しいのよ、マリアも…」
『…違うよ。 少しお客さんの数が少ない。』
「違うわ。 寂しいに決まってる。」
【幸せだよ】
夢の中で恭平の声が何度もコダマする。
捨てられる前日、恭平は私に幸せって言ってくれた。
あれは嘘だったの?
お酒飲んでたからかな…
私は嘘じゃなかった。
本当に恭平の傍にいられたら幸せなの。
私の幸せはそれしかないの…
「最近のカンナ、元気ないよねー。 どうかした?」
ある日の昼休み。
友利と茜が席にやってきた。
『…何もないの、大丈夫…』
「大丈夫って… 彼氏と何かあった?」
『んーん…』
はたして恭平は私の彼氏だったんだろうか。
思い起こしてみれば「好き」なんて言葉、聞いた事がない。
ただ「傍にいてほしい」と言われただけ…
「じゃあさぁ、気晴らしにパァーっと遊ぼうよ! カンナと出掛けるのってあんま無かったし!」
茜はそう言って私の肩を叩く。
気晴らしか…
本当に晴れるかな。
『…うん…行く…』
恭平の事…忘れられるかな?
朝が来て夜が来る。
夜を越し朝になる。
どんなに悲しくても時間は止まらないんだ…
『いらっしゃいませ、何にします?』
私が頬を濡らしながら眠る夜。
遠くの街では恭平がいつもと変わらず存在する。
お客さんにお酒を振る舞い、話し…
そして笑う。
それを想像するだけで、また涙が溢れた。
「忙しいわね、毎日…」
『そう? いつもより暇に感じたけど。』
愛里の言葉に恭平は笑顔で返す。
「…それはカンナがいないからだわ、きっと。」
『そうかな?』
「そうよ。 寂しいのよ、マリアも…」
『…違うよ。 少しお客さんの数が少ない。』
「違うわ。 寂しいに決まってる。」
【幸せだよ】
夢の中で恭平の声が何度もコダマする。
捨てられる前日、恭平は私に幸せって言ってくれた。
あれは嘘だったの?
お酒飲んでたからかな…
私は嘘じゃなかった。
本当に恭平の傍にいられたら幸せなの。
私の幸せはそれしかないの…
「最近のカンナ、元気ないよねー。 どうかした?」
ある日の昼休み。
友利と茜が席にやってきた。
『…何もないの、大丈夫…』
「大丈夫って… 彼氏と何かあった?」
『んーん…』
はたして恭平は私の彼氏だったんだろうか。
思い起こしてみれば「好き」なんて言葉、聞いた事がない。
ただ「傍にいてほしい」と言われただけ…
「じゃあさぁ、気晴らしにパァーっと遊ぼうよ! カンナと出掛けるのってあんま無かったし!」
茜はそう言って私の肩を叩く。
気晴らしか…
本当に晴れるかな。
『…うん…行く…』
恭平の事…忘れられるかな?