HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■現場へ
【私の事、忘れていいからね】
そう言った彼女の顔が忘れられない。
それはきっと…
彼女が自分と似ていたから…
「いらっしゃいませー。」
あの公園から少し離れた花屋さん。
私は授業を終えた後でそこへ向かった。
色鮮やかな花達が私を迎えてくれる。
『あの… この花ください…』
小さな花束を指差し、お店のおじさんを見る。
おじさんは笑顔で花を取ってくれた。
「お嬢さん、ありがとねー。」
…本当は、花なんて買うつもりなかった。
供えるつもりなかった。
だって「彼女」はいつも綺麗な花を貰ってる。
私の小さな花束なんて嬉しくないかも知れない。
だけど…
夢が気になって、いてもたってもいられなくて…
『…初めまして。』
花束を道路脇に置き、手を合わせる。
静かな風に合わせ、花が揺れた。
『お腹の中の子…本当に男の子だったのかな…』
夢と現実がごっちゃになる。
もし彼女の子が男の子だったら…
あの夢が本当だったら…
『あの声…』
あの声も本当になるのかな。
【お願いだ…ッ そいつだけは… 俺なら死んでいいから】
今までにそんな焦った声を上げた事がないから、言い切る事は出来ない。
でも…
あれはきっと、「彼」の声だった…
「カンナ!」
風に揺れる花を見ていた私の後ろから誰かが名を呼ぶ。
『…愛里…』
それは久方ぶりに見る親友の姿。
「少し痩せたかしら… ちゃんと食べてる?」
愛里は私の頬にそっと触れ言った。
『うん… 平気…』
ダイエットしてるわけもなく、体重は減る。
少し喉が細くなってしまったみたいだ。
「ちょうどいいわ。 一緒に夕飯でも食べましょ?」
『一緒に?』
「そうよ、1人で食べるのつまらないもの。」
愛里はそう言うと半ば強引に私の手を引く。
まさか愛里…
HEAVENに…?
『あ、愛里…ッ』
「大丈夫よ、マリアはいないの。 もうしばらく会ってないわ。」
『…え…?』
だってあの店は恭平の…
一体どうして…?
【私の事、忘れていいからね】
そう言った彼女の顔が忘れられない。
それはきっと…
彼女が自分と似ていたから…
「いらっしゃいませー。」
あの公園から少し離れた花屋さん。
私は授業を終えた後でそこへ向かった。
色鮮やかな花達が私を迎えてくれる。
『あの… この花ください…』
小さな花束を指差し、お店のおじさんを見る。
おじさんは笑顔で花を取ってくれた。
「お嬢さん、ありがとねー。」
…本当は、花なんて買うつもりなかった。
供えるつもりなかった。
だって「彼女」はいつも綺麗な花を貰ってる。
私の小さな花束なんて嬉しくないかも知れない。
だけど…
夢が気になって、いてもたってもいられなくて…
『…初めまして。』
花束を道路脇に置き、手を合わせる。
静かな風に合わせ、花が揺れた。
『お腹の中の子…本当に男の子だったのかな…』
夢と現実がごっちゃになる。
もし彼女の子が男の子だったら…
あの夢が本当だったら…
『あの声…』
あの声も本当になるのかな。
【お願いだ…ッ そいつだけは… 俺なら死んでいいから】
今までにそんな焦った声を上げた事がないから、言い切る事は出来ない。
でも…
あれはきっと、「彼」の声だった…
「カンナ!」
風に揺れる花を見ていた私の後ろから誰かが名を呼ぶ。
『…愛里…』
それは久方ぶりに見る親友の姿。
「少し痩せたかしら… ちゃんと食べてる?」
愛里は私の頬にそっと触れ言った。
『うん… 平気…』
ダイエットしてるわけもなく、体重は減る。
少し喉が細くなってしまったみたいだ。
「ちょうどいいわ。 一緒に夕飯でも食べましょ?」
『一緒に?』
「そうよ、1人で食べるのつまらないもの。」
愛里はそう言うと半ば強引に私の手を引く。
まさか愛里…
HEAVENに…?
『あ、愛里…ッ』
「大丈夫よ、マリアはいないの。 もうしばらく会ってないわ。」
『…え…?』
だってあの店は恭平の…
一体どうして…?