HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■過ち?
白い階段。
ベルの着いた扉には「Close」の看板。
店内は薄暗く、ピンクのルームランプがカウンターを照らす。
「お店が開いたら忙しいから… こうして先に夕飯食べちゃうの。」
愛里はそう言うとカウンターの中に入る。
しばらくして、覚えのある香辛料の香りがした。
『カレー?』
「当たり。 毎日カレーで嫌になっちゃうわ。」
手慣れたようにお皿に盛りつけていく愛里。
『たまには違うの食べたら?』
「そうはいかないの。 実はこれ、マリアからの賄いなのよ。」
『まか…ない?』
「そう、わざわざあの子が作ってるの。 今までは焼きそばとかオムライスも作ってくれたんだけどね…」
そう言うとカレーを盛ったお皿を私の前に置く。
カレーのいい香りが食欲をそそった。
「いつもなら私が来てからマリアが作ってたのよ… でも最近は顔も出さずにカレーだけ。」
少し寂しげに笑う愛里に、何となく自分を重ねてしまった。
変なの…
私達2人、恭平に振り回されてばっか。
2人共、フラれちゃったかなぁ…
『ねぇ、愛里? 何でフラれちゃったのかな…私…』
前日まで優しい恭平だった。
私の何がいけなかったんだろう…
「馬鹿ね… カンナは悪くないのよ。 あの子は本当に気まぐれだから…」
『…気まぐれ…』
気まぐれだから…
離れていってしまったのだろうか。
だったらその逆は?
その逆で、私に気が向く事はあるんだろうか。
「強いて言うなら… 貴方は好きになってはいけない人を好きになってしまった、それだけよ…」
そう言った愛里の目が悲しそうで…
それ以上は何も聞けなかった…
白い階段。
ベルの着いた扉には「Close」の看板。
店内は薄暗く、ピンクのルームランプがカウンターを照らす。
「お店が開いたら忙しいから… こうして先に夕飯食べちゃうの。」
愛里はそう言うとカウンターの中に入る。
しばらくして、覚えのある香辛料の香りがした。
『カレー?』
「当たり。 毎日カレーで嫌になっちゃうわ。」
手慣れたようにお皿に盛りつけていく愛里。
『たまには違うの食べたら?』
「そうはいかないの。 実はこれ、マリアからの賄いなのよ。」
『まか…ない?』
「そう、わざわざあの子が作ってるの。 今までは焼きそばとかオムライスも作ってくれたんだけどね…」
そう言うとカレーを盛ったお皿を私の前に置く。
カレーのいい香りが食欲をそそった。
「いつもなら私が来てからマリアが作ってたのよ… でも最近は顔も出さずにカレーだけ。」
少し寂しげに笑う愛里に、何となく自分を重ねてしまった。
変なの…
私達2人、恭平に振り回されてばっか。
2人共、フラれちゃったかなぁ…
『ねぇ、愛里? 何でフラれちゃったのかな…私…』
前日まで優しい恭平だった。
私の何がいけなかったんだろう…
「馬鹿ね… カンナは悪くないのよ。 あの子は本当に気まぐれだから…」
『…気まぐれ…』
気まぐれだから…
離れていってしまったのだろうか。
だったらその逆は?
その逆で、私に気が向く事はあるんだろうか。
「強いて言うなら… 貴方は好きになってはいけない人を好きになってしまった、それだけよ…」
そう言った愛里の目が悲しそうで…
それ以上は何も聞けなかった…