HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■欲深く
恭平が病院に駆け付けてくれた。
それだけで、もう十分だと思ったの…
「じゃあカンナ。 ゆっくり休みなさいね!」
お母さんが病院に戻ると同時、愛里と恭平は帰っていった。
私は、3日ほど大事をとって入院するらしい。
「そうそう、これ鞠亜さんから。」
お母さんは紙袋から銀色の細い腕輪を出した。
それはあの最後の日、恭平が買ってくれた物…
「病院に駆け付けた後で無い事に気付いたみたいなの。 ついさっき現場に拾いに行ったみたいよ?」
お母さんはそう言って私の手の平に腕輪をそっと置く。
「よく見てるのね… 私なんかカンナがいつも着けてたなんて、知りもしなかったもの…」
解らない。
あの人の真意が…
冷たいのか、優しいのか。
好きなのか、嫌いなのか。
嫌いならもう捨ててくれてよかった。
『…これ恭平から貰ったの…』
「まぁ、それで解ったのね。」
『うん…』
人間はなんて欲深なんだろう。
駆け付けてくれただけで満足だったはずなのに…
今は彼の真実が知りたいと思う。
恭平の、本心を…
「それじゃあ、お大事に。」
事件から3日後、私は無事に退院する事が出来た。
お見舞いに貰った果物やお菓子。
全て紙袋に詰めて病院を後にする。
恭平から貰ったあの腕輪は…
二度と落とさないよう、しっかりと右の手首に着けた…
恭平が病院に駆け付けてくれた。
それだけで、もう十分だと思ったの…
「じゃあカンナ。 ゆっくり休みなさいね!」
お母さんが病院に戻ると同時、愛里と恭平は帰っていった。
私は、3日ほど大事をとって入院するらしい。
「そうそう、これ鞠亜さんから。」
お母さんは紙袋から銀色の細い腕輪を出した。
それはあの最後の日、恭平が買ってくれた物…
「病院に駆け付けた後で無い事に気付いたみたいなの。 ついさっき現場に拾いに行ったみたいよ?」
お母さんはそう言って私の手の平に腕輪をそっと置く。
「よく見てるのね… 私なんかカンナがいつも着けてたなんて、知りもしなかったもの…」
解らない。
あの人の真意が…
冷たいのか、優しいのか。
好きなのか、嫌いなのか。
嫌いならもう捨ててくれてよかった。
『…これ恭平から貰ったの…』
「まぁ、それで解ったのね。」
『うん…』
人間はなんて欲深なんだろう。
駆け付けてくれただけで満足だったはずなのに…
今は彼の真実が知りたいと思う。
恭平の、本心を…
「それじゃあ、お大事に。」
事件から3日後、私は無事に退院する事が出来た。
お見舞いに貰った果物やお菓子。
全て紙袋に詰めて病院を後にする。
恭平から貰ったあの腕輪は…
二度と落とさないよう、しっかりと右の手首に着けた…