HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■疑惑
何も無いと言っていいほど、無駄のない部屋。
生活に必要な物以外は何もない。
漫画もビデオも…
ここから立ち去る事なんて、本当にたやすい事だと思う。
『いないか…』
キッチンにもリビングにも恭平はいない。
一体、何処で何をしているんだろう…
悪いと思いつつも寝室へお邪魔する。
ベッドは思った通り、もぬけの殻。
ふとベッドの隣…ガラステーブルに目をやると、外からの光が何かで反射していた。
眩しさに目が眩む。
アレは…ネックレス…?
近付いて確認すると、それはシンプルなネックレスだった。
シルバーのボールチェーンにぶら下がるのはシンプルなプレート。
恭平がしているとこなんて、見た事ない。
そっとネックレスを手に取ると、プレートの隅に何か文字があった。
「S to……」
その次は黒い汚れで読めなかった。
『…』
気になる。
気になって仕方がない。
少し迷った後で私はその汚れを爪で剥がしてしまった。
黒く見えた汚れは、剥がしてみると赤黒い塊。
これ…見た事ある。
この感じ…覚えある。
恐る恐る裏返す。
その瞬間、心臓がズンと痛んだ。
『嫌… これ…ッ』
まるで赤黒いセロファンを貼ったみたい。
全部…血液だ。
奪おうとしたのか、ちぎろうとしたのか…
真ん中には誰かの指の跡がハッキリと残っていた。
【犯人は決定的な証拠を残しているわ】
ふと、あの超能力者の言葉が頭に響いた。
【ネックレスのプレートに犯人の指紋】
犯人の指紋…
現場を参る、恭平の姿。
こんな偶然、あっていいのか。
【犯人はまだ近くにいるはずよ、現場の近くに】
現場はHEAVENの近くだった。
【これが犯人を追い詰める証拠になるはず】
恭平…
貴方、まさか…
何も無いと言っていいほど、無駄のない部屋。
生活に必要な物以外は何もない。
漫画もビデオも…
ここから立ち去る事なんて、本当にたやすい事だと思う。
『いないか…』
キッチンにもリビングにも恭平はいない。
一体、何処で何をしているんだろう…
悪いと思いつつも寝室へお邪魔する。
ベッドは思った通り、もぬけの殻。
ふとベッドの隣…ガラステーブルに目をやると、外からの光が何かで反射していた。
眩しさに目が眩む。
アレは…ネックレス…?
近付いて確認すると、それはシンプルなネックレスだった。
シルバーのボールチェーンにぶら下がるのはシンプルなプレート。
恭平がしているとこなんて、見た事ない。
そっとネックレスを手に取ると、プレートの隅に何か文字があった。
「S to……」
その次は黒い汚れで読めなかった。
『…』
気になる。
気になって仕方がない。
少し迷った後で私はその汚れを爪で剥がしてしまった。
黒く見えた汚れは、剥がしてみると赤黒い塊。
これ…見た事ある。
この感じ…覚えある。
恐る恐る裏返す。
その瞬間、心臓がズンと痛んだ。
『嫌… これ…ッ』
まるで赤黒いセロファンを貼ったみたい。
全部…血液だ。
奪おうとしたのか、ちぎろうとしたのか…
真ん中には誰かの指の跡がハッキリと残っていた。
【犯人は決定的な証拠を残しているわ】
ふと、あの超能力者の言葉が頭に響いた。
【ネックレスのプレートに犯人の指紋】
犯人の指紋…
現場を参る、恭平の姿。
こんな偶然、あっていいのか。
【犯人はまだ近くにいるはずよ、現場の近くに】
現場はHEAVENの近くだった。
【これが犯人を追い詰める証拠になるはず】
恭平…
貴方、まさか…