HEAVEN -天国の階段- (全106話)
■StoK
気がつけばマンションを飛び出し、駆けていた。
真実を知るため…
あの場所へ…
足は縺れ、息が苦しい。
「いらっしゃ……カンナッ?!」
HEAVENの扉を体当たりして開けると、驚いた顔をした愛里が見えた。
『愛里…ッ』
「びっくりするじゃない。 マリアは見つかったの?」
愛里は空いたお皿を片付けながら言う。
【好きになってはいけない人を】
確かにこの間、愛里はそう言った。
それがどういう意味なのか、あの時は理解出来なかった。
もしかしたら愛里は…
あの通り魔事件の真実を知っていたのかも知れない。
『愛里、正直に答えて…』
もう傷付いたっていい。
真実が知りたい。
『すぐ傍であった通り魔… あれは恭平なの?』
質問を投げ掛け、縋り付く私の頬に愛里の平手が軽く当たる。
「馬鹿言わないで。 貴女、マリアをそんな目で見てたの?」
軽蔑の眼…
私だって疑いたいわけじゃない。
『だって…ッ あんな血まみれのネックレス… 犯人じゃなきゃ何で持ってるの?!』
恭平を信じたいし、好きでいたい。
でも、見なかった事には出来ないよ…
「……それはきっと…マリアの物よ。」
『…え…?』
「文字がなかった? StoK…」
そう言われ、プレートの隅の方にあったアルファベットを思い出す。
確かにあった。
最後の「K」は血液で見えなかったんだ。
「StoK、紗羅から恭平へ… あれは紗羅からマリアに送った最後のプレゼントなの…」
愛里はそう言って、1粒の涙を零す。
「閉店まで待てる? 私から詳しく話すわ…」
気がつけばマンションを飛び出し、駆けていた。
真実を知るため…
あの場所へ…
足は縺れ、息が苦しい。
「いらっしゃ……カンナッ?!」
HEAVENの扉を体当たりして開けると、驚いた顔をした愛里が見えた。
『愛里…ッ』
「びっくりするじゃない。 マリアは見つかったの?」
愛里は空いたお皿を片付けながら言う。
【好きになってはいけない人を】
確かにこの間、愛里はそう言った。
それがどういう意味なのか、あの時は理解出来なかった。
もしかしたら愛里は…
あの通り魔事件の真実を知っていたのかも知れない。
『愛里、正直に答えて…』
もう傷付いたっていい。
真実が知りたい。
『すぐ傍であった通り魔… あれは恭平なの?』
質問を投げ掛け、縋り付く私の頬に愛里の平手が軽く当たる。
「馬鹿言わないで。 貴女、マリアをそんな目で見てたの?」
軽蔑の眼…
私だって疑いたいわけじゃない。
『だって…ッ あんな血まみれのネックレス… 犯人じゃなきゃ何で持ってるの?!』
恭平を信じたいし、好きでいたい。
でも、見なかった事には出来ないよ…
「……それはきっと…マリアの物よ。」
『…え…?』
「文字がなかった? StoK…」
そう言われ、プレートの隅の方にあったアルファベットを思い出す。
確かにあった。
最後の「K」は血液で見えなかったんだ。
「StoK、紗羅から恭平へ… あれは紗羅からマリアに送った最後のプレゼントなの…」
愛里はそう言って、1粒の涙を零す。
「閉店まで待てる? 私から詳しく話すわ…」