あの日に帰りたい

1節 カッコわる

両親に言われるがままにずっと勉強一筋だったのだ!
「うわぁ~!もうこんなに集まってるよ!」
(はっ!!)
考え事をしていたあたしは我に返って現実に戻った。
いつの間にかグランドに着いていた。
「それにしても、相変わらず凄い人だね~!?」
「本当!ほらっ!英里那!早く前にいきなよ!」そう言うと小夜子はあたしの背中を思いっきり押した。
「キャ~!」
押されたあたしはまた最前列に行ってしまった。「ドンッ!」
(あっ!誰かにぶつかった!謝らなきゃ!?)
「すっ、すみません!」「何だ!英里那!また来てくれたのか!!」
「えっ?」
顔を上げると…「とっ藤堂先輩!すみません!」そこには、昨日初対面した藤堂さんの顔があたしの目の前にあった!
「あのぉ~!あたしまた…すみません!!」
あたしは頭を下げて謝った。
「何謝ってんだ?」
「えっ?だってぶつかったから…」
「ぷっぷっぷっ!」
(あっ!また笑われた…)
「アッハッハッ!何て顔してんだよ!」
「うっ…何ですか?さっきから…」
(あたし…そんなに不細工なのかなぁ…涙)
藤堂さんが余りにも笑うからあたしは思わず…
「あっ!おっ!お前…」自分でも知らない間に泣いてしまったあたし…
それを見た藤堂さんは…「ちょっと…こっち来い!」
と…泣いてるあたしの腕を掴んで校舎裏へと連れて行く。
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