タイムリミット
「………奈未ちゃんは…」
ベンチに腰かけて話始める浅野。
飛行機雲を眺めながら話し出したのは奈未のことだった。
「奈未ちゃんが、運ばれてきた時お前声が枯れるぐらい『奈未ッ!奈未ッ!』って繰り返してたよな~。びっくりした、大学生があんなに必死になるのかとお前の方が俺を必死にさせて…。あの子ずっと心配だったけどまさかこんな時期に発症するなんてな…、支えになってやれよ?」
言われなくてもわかってる、奈未のための俺だ。
「浅野。俺に検査を受けさせた理由は?」
「おいおい、“浅野”はやめてくれ。せめて“先生”ってよべよな“悠吾”!」
気にくわないんだ!
浅野で充分。