タイムリミット
奈未と街をあり得ないくらい細目にしてみる俺は、とても嫉妬深いんだろう。
話しているだけでイライラする。
「悠吾、たえろ!男にはそれが必要だ」
「いや、俺はこれでも結構たえている方だ…。くっ」
昔は奈未に近づく男がいればソッコー睨みつけたもんだ。
奈未に怒られたっけな。
『余計なことしないで』
って。
「おい街、そろそろ俺の奈未を返せ」
一体何十分話してるんだ。
「ぐふっ、“俺の”だってー!悠吾君ベタ惚れー」
街がこちらを見てまたからかうように笑った。
ほんと、ガキだな、まったく。
「それよりお前、もうすぐ検査の時間だろ?
ちゃんと行かないとまた怒られんぞ?」
見かねた浅野が助け船をだす。
「あ、やばい。それじゃあ、奈未さん、また!」
「またねー」
ほんと油断ねえな、あいつ。