タイムリミット
「いいお友だちを持ったね、悠君」
ふわりと笑う彼女は、
本当に愛しいと思う。
そのふわりとした笑みにこっちのヤキモチもとんでいった。
抱きしめれば抱きしめるほど想いが増す。
想えば想うほど、愛せる。
愛せば愛すほど、
かけがえのない存在になる。
だから、失うことが怖くなる。
でも、愛さないなんて、できないから。
愛して愛されて成り立つものだから。
怯えた俺は、臆病だ。
「お前うかうかしてっと街にとられんぞ?」
含み笑いをして俺を見る浅野はとても面白そうだ。
とことん性格の悪い男である。
本当にこれが医者かと思うと、俺はがり勉に同情したくなった。
「街に奈未はやんねーよ」
「えー、そうかなあ?あたし意地悪な人より街君みたいな優しい子が好きだなー?」