猛獣に射抜かれる様な愛
一、鋭い猛獣の男
「ねぇ…もう行くの?」
「ああ」
「これから仕事?」
「さあな」
目の前でそそくさと着替え、ズボンのベルトを締める男の姿をベッドに寝そべったまま視線を向けた
彼の名は『矢斗』苗字は知らないし、この名が本名かどうかもわからない
そんな私達の関係は、ただ本能の赴くままに欲求をぶつけ合い解消するだけの関係
俗に言うセフレってやつ。
かれこれ半年前、ほろ酔いで思考回路が定まらない時に男数人に絡まれている所を彼が助けてくれたんだった。
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